▼おことわり
このページに記載されている「JAF国内競技車両規則」は、きくりんが独自に抜粋・転載したものであり、JAFによる公式なもので はありません。誤字・脱字、あるいは記載ミスがある可能性があります。また、それらによって被ったいかなる損害・不利益についても、一切の責任を負いかね ます。

ラリー競技およびスピード行事における安全ベルトに関する指導要項

1.シートベルト(Seat belt, Safety harnesses)
 衝突時に、乗員を保護するのが最大の目的であり、モータースポーツの安全性をより高めるため装備、装着が義務付けらる。競技参加者は、自ら を保護すると いう意識を高め、これらの効果的な装備、装着の重要性を認識する必要がある。
2.シートベルトの形式
1)2点式(Two point seat belt)
・腰部を拘束するため、腰の両端から腰前部に着用する2点支持形式のもの。
・衝突時の乗員の拘束性は、3点式に比べ劣る。
・車体への取り付け点数:2点
2)3点式(Three point seat belt)(図1参照
・腰部および胸部を拘束するため、2点式に加え肩にも着用する3点支持形式のもの。
・衝突時の乗員保護性能に優れ、実用性も高くもっとも標準的な形式。
・車体への取り付け点数:3点
3)フルハーネス式(Full harness seat belt)(図 2参照
・少なくとも、1本の腰部拘束用ベルトと2本、またはそれ以上の胸部拘束用ベルトからなる形式のもの。
・拘束性は1番優れている。
・車体への取り付け点数:3点、4点、5点、6点
・Yタイプ(図3参照
 2本の胸部拘束用ベルトを持つが、途中で1本になりそのまま車体へ取り付けられるベルト、いわゆる「Y字レイアウト」のフルハーネ ス式を言 う。
 取り付け点数は3点だが、「4点式」と見なす。
3.競技における装備、装着(図4参照)
(1) 自動車製造業者により装着されたものと同等以上の機能、 性能を有する3点式以上を乗員の数だけ装備し、競技中は常に装着すること。
(2) 3点式においては「押しボタン式バックル (Enclosed push button buckle):ボタンを押し込んでタングプレートを解離するバックル」を装備すること。(図 5参照)
4.車体側への取り付け
1) シートベルトの取り付け位置は一般的には下図に示す範囲内 で装備、装着することが好ましい。
 ラップベルト取り付け具の感覚はシート幅以上であることが望ましい。
 取り付け具は器具本体およびボルト、ナット、座金、補助座金などで構成され、各取り付けは単式とする。
 車体側に固定する取り付け具のボルト、およびナットのネジは下記の通りとする。

ネジの呼び名
および等級
ナットの有効
ネジ部の長さ
ボルトの
引張荷重
7/16-20UNF-2A
および2B
約10mm 2,270kgf
|22.26KN

(ネジはJISB-0208を参照)
 取り付け部はいかなる場合でも2mm以上動いてはならず、単体構造上の必要により補助座金を付けなければならないとき、もしくはメーカーの 取り付け部を 使用しないで新設する場合は、必ず次の補助座金を使用しなければならない。
 補助座金は鋼鉄製とし、ボルト穴の径はJISB1001の2級以上とし、座金の かどは半径6mm以上の丸、または6mm以上の45度面取り を行うこと。
 座金の寸法は下記の通りとする。

板厚(mm)
有効面積(cm2) 座金の縁からボルト
穴中心までの距離(mm)
1.5以上 25以上 12以上

2) その他について
(1) ショルダーベルトがYタイプの場合、その結合部は シート を最後部にセットした状態でシートバック後部よりウエビングに沿って200mm 以上離さなけ ればならない。(図3および図4参照
 なお、この場合、ショルダーベルトの横方向の動きを規制するための十分な強度を有するガイドを持つことが望ましい。
(2) ウエビングの取り付け具への通し方は、下図の方法がゆる みに対して効果的である。
(3) 肩ベルトの車体への取り付け点をロールケージとする 場合 は、国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条6.2に従うこと。
(4) 「レース競技における安全ベルトに関する指導要項」 に 従った取り付け方法についてもその使用が認められる。
5.維持、管理と寿命
1) ウエビングは使用頻度、あるいは科学薬品(原文ママ)や太 陽光線により劣化するので、常にその状況を点検、確認すること。
2) 一部が切断したり、擦り切れたウエビングは交換すること。
3) ウエビングにベンジンや、ガソリン等の有機溶剤を付着、浸 透させてはならない。
 付着、浸透させた場合は性能が落ち、十分な強度を発揮できなくなる恐れがあるので、交換すること。
4) バックル、タング等の金属部分に曲がり、変形、錆、作動不 良等の劣化が認められた場合は、交換すること。
5) 万一事故により、シートベルトに強い衝撃を受けた場合、ウ エビング、構成部品等の外観に異常がなくても再使用してはならない。

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